フォトグラファーになるには?仕事内容や活躍の場、進路の選び方を紹介

写真を撮影することが仕事の「フォトグラファー」。将来の進路を考えている学生さんの中にはフォトグラファーを目指している人もいるのではないでしょうか。この記事ではフォトグラファーを目指している学生さんに向けて、フォトグラファーの仕事内容や就職先、必要な資格、進学する学校の選び方を紹介します。ぜひ、将来の進路選択の参考にしてみてくださいね。

フォトグラファーは撮影技術があれば誰でも目指せる

フォトグラファーになるために、特別必要な資格はありません。写真撮影の専門的な技術や知識があれば、誰でもフォトグラファーを目指すことができます。
フォトグラファーを目指すには、専門学校や短大の写真科、大学の芸術学部に進学することが一般的です。卒業後は、プロのアシスタントをしたり広告会社や撮影スタジオに就職したりしてフォトグラファーになるための経験を積みます。中には独学でスキルを磨く人もいるでしょう。フォトグラファーは比較的独立しやすい職業ですが、成功するためには自分の得意分野を見極めて技術を高めることが大切です。
フォトグラファーを目指す学生さんにおすすめなのは、学校で写真について専門的に学んだのち、会社や個人でアシスタント経験を積むことです。いろいろな現場で経験を積む中で、自分の得意ジャンルやスキルを活かせる分野を見つけることができるでしょう。
フォトグラファーとして活躍するためには、写真撮影の技術やスキルが必須のため、フォトグラファーを目指す学生さんは、写真撮影に必要な基礎的な知識や技術をじっくり学べる学校へ進学しましょう。

フォトグラファーが専門性を高めるために取得したい資格

フォトグラファーになるために必須の資格はありませんが、関連する資格を取得することで仕事のクオリティアップに繋がり、仕事の幅も広がるはずです。資格はスキルの証明になるので、お客様からの信頼感も増すでしょう。フォトグラファーを目指す人におすすめの資格を下記の表にまとめました。それぞれの資格について、詳しく紹介します。

資格名内容
写真技能士フィルム写真に関する技能を認定する国家資格
フォトマスター検定写真やカメラの知識を確認しながら、写真力UPを目指すことのできる検定試験
Photoshop(R)クリエイター能力認定試験世界基準のグラフィックツールである「Photoshop®」の活用能力を測定・評価する資格検定試験
色彩検定色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験

写真技能士

写真技能士とは、フィルム写真に関する技能を認定する国家資格です。カメラマンの写真技術・知識を一定の基準によって検定します。実力に応じて3級・2級・1級があります。業界では有名な資格で、写真館経営者は1級写真技能士の資格を持っていることが一般的です。

フォトマスター検定

フォトマスター検定とは、写真やカメラの知識を確認しながら、写真力UPを目指すことのできる検定試験です。写真初心者からカメラメーカーや家電量販店で働く人まで幅広い層の写真愛好家が受験しています。試験は趣味レベルの3級から専門家レベルの1級まで難易度別に用意されています。

Photoshop(R)クリエイター能力認定試験

Photoshop(R)クリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールである「Photoshop®」の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。「Photoshop®」を使った画像作成や、問題の指示に従って作品を作る表現力などコンテンツ制作に関するスキルを認定します。「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があり、レベルに応じて受験できます。

色彩検定

色彩検定とは、色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。フォトグラファーだけでなく、インテリア、ファッション、販売、企画など様々な職種の人が受験します。試験はレベルごとに3〜1級まであり、2018年からはUC(色のユニバーサルデザイン)級が新設されました。

フォトグラファーの仕事内容

フォトグラファーとは、静止画の撮影を職業にしている人のことを指しますが、学生さんの中には「フォトグラファーの仕事は写真を撮ること」ということは知っていても、具体的にどんな業務をするのかは知らない人も多いかもしれません。
フォトグラファーは写真を撮影するだけでなく、撮影準備やスケジュール調整、画像編集など納品までの一連の流れを担います。撮影準備では撮影場所の下見、小道具や衣装の用意、撮影時間の調整など様々な業務があります。クライアントの要望によっては、被写体(モデル)探しもフォトグラファーの役割です。撮影後には画像修正や編集を行い、納品します。撮影スキルを磨くことはもちろん、編集技術などを身につけ対応できる業務を増やすことで、仕事の幅も広がるでしょう。

フォトグラファーの仕事は、撮影する対象別に「商業写真」「個人写真」「アート写真」のように分けられます。それぞれの種類別に具体的な業務内容を紹介します。

商業写真

商業写真とは、報道や広告で使用する写真のことです。報道分野では、生物や物体のあるがままの姿を撮影します。事件や事故、スポーツなどリアルな情報を発信するため「ありのままの光景」を撮影する技術が求められます。
広告分野では、広報・宣伝という意図を持って商品やモデルの写真を撮影します。クライアントの要望に沿って、被写体の魅力をしっかりと引き出しアピールできる撮影技術が必要です。

個人写真

個人写真とは、家族写真や子どもの行事、プロフィール写真など一般の方を対象にした写真です。クライアントと1対1で関わりながら仕事をするため、撮影技術だけでなくコミュニケーションスキルも重要です。特に子どもの写真を撮影する際には、子どもの笑顔を最大限引き出すことや撮影に飽きてしまわないような工夫も必要になります。個人写真を撮影するフォトグラファーは、マッチングサイトを利用して仕事を受注している方も多いです。

アート写真

アート写真とは、フォトグラファー自身の感性や思いを表した写真です。被写体は風景や景観などが中心で、メッセージ性を込めて撮影し、自身の個性やクリエイティブなアイデアを表現します。依頼を受けて撮影する商業写真や個人写真とは違い、撮影した写真に買い手がつくことで収入に繋がることが一般的です。アート写真だけで生計を立てていけるフォトグラファーはほんの一部のため、商業写真や個人写真の撮影で収入を確保した上で、アート写真を撮っている人も多くいます。

フォトグラファーの活躍の場6つ

フォトグラファーの仕事内容は分かったものの、実際にどのような場所で活躍できるのか気になりますよね。ここでは、フォトグラファーの活躍の場を6つ紹介します。

広告代理店

まずは広告代理店や広告制作会社です。広告会社で働くフォトグラファーは、商品の宣伝を目的とした写真を撮影します。ポスターやwebサイトに掲載する商品から芸能人、モデルなど被写体は多岐に渡ります。画像編集の技術や撮影現場の進行スキルを求められることもあり、撮影技術以外にも幅広いスキルを求められます。

出版社、新聞社

出版社や新聞社もフォトグラファーの活躍の場です。新聞や雑誌など各媒体の専属フォトグラファーとして活動し、記事に掲載する写真を撮影します。新聞社や出版社のフォトグラファーは事件現場やスポーツ、政治や経済に関する場面などを撮影し、現場の様子を伝えることが仕事です。決定的瞬間を捉えることができる高度な撮影技術が求められるでしょう。

一般企業

フォトグラファーは一般企業で働く道もあります。企業の写真部などに所属し、広報担当者として活動します。広報担当のフォトグラファーは会社の行事を撮影する社内広報や、営業に用いる写真を撮影する社外広報などを行います。写真技術だけでなく、社内外の人と円滑にコミュニケーションをとれるスキルや売上を伸ばすため新しいアイデアを出す発想力なども必要です。

結婚式会場

結婚式会場やブライダルサロンで働くフォトグラファーも多数います。結婚式場では、前撮りや式当日の新郎新婦の写真を撮影します。式場の社員として働く人もいますが、フリーランスのフォトグラファーとして様々な式場で働く人も。結婚式の写真は撮り直しが効かないので、シャッターチャンスを逃さず捉える技術が必要です。

フォトスタジオ

フォトスタジオもフォトグラファーの働く場所の一つです。フォトスタジオでは、様々なインテリア、小道具を使用して誕生日や七五三などの記念日に写真を撮影します。自然光を取り入れながらナチュラルなテイストの写真を撮影することもあるため、自然な笑顔を引き出せるコミュニケーションスキルが求められます。

写真館

フォトグラファーの中には写真館で働く人も多くいます。写真館で撮影するのは、背景紙を使用したシンプルでフォーマルな家族写真や証明写真などです。写真館で働くためにはストロボを扱える専門的な技術が必要です。撮影対象は老若男女、時にはペットを撮影することもあり、どんな人とでもスムーズにコミュニケーションがとれるスキルがあると良いでしょう。

「進路ナビ」の学校検索機能を利用して資料請求を行うと、各校の詳しいパンフレットを取り寄せる事が可能です。卒業生の進路先などについても確認ができますので、こちらのページから大学や専門学校を探してみましょう!

フォトグラファーの年収相場は約340万円

令和4年賃金構造基本統計調査によると、フォトグラファーの平均年収は466.7万円でした。ただしフォトグラファーの給与は勤務先や働き方によって大きく変わるので、平均年収はあくまで目安と考えた方が良いでしょう。1,000万円以上稼ぐフリーのフォトグラファーもいますが、年収300万に満たないアシスタントもたくさんいます。実際、求人ボックスの求人統計データによると、正社員フォトグラファーの年収相場は約340万円となっています。
フォトグラファーはフリーランスで活動している人が多く、安定した収入を見込むことは難しいかもしれませんが、自分の実力次第で大きく稼げる可能性もある職業です。

参考:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
参考:フォトグラファーの年収・時給|求人ボック

フォトグラファーに向いている人の特徴4つ

フォトグラファーの仕事に興味があるものの、自分に向いているのか?と疑問に思っている学生さんもいるでしょう。ここではフォトグラファーに向いている人の特徴を4つ紹介します。

向上心がある

向上心のある人はフォトグラファーに向いていると言えるでしょう。フォトグラファーとして長く働くためには、常にカメラ技術・知識のアップデートを行い、最新のセンスや流行を敏感に捉えていくことが大切です。フォトグラファーとしてスキルアップしたいという意識を持ち、努力し続ける姿勢が求められます。

判断力がある

適切でスピーディーな状況判断を出来る人はフォトグラファーとしての素質があります。良い写真を撮るためには、シャッターチャンスを逃さないスキルが必要だからです。適切な状況判断と構図のセッティングを行うことで、クオリティの高い印象的な写真を撮ることができるでしょう。

コミュニケーション力がある

フォトグラファーは様々なお客様と関わる仕事のため、コミュニケーション力が必須です。クライアントとの打ち合わせでは希望を的確に汲み取り、納得してもらえる写真を撮影しないといけません。またフォトスタジオではお客様とコミュニケーションを取りながら自然な笑顔を引き出す技術も必要です。フリーのフォトグラファーの場合、お客様と信頼関係を築くことで新しい仕事に繋がるケースもたくさんあります。

体力に自信がある人

体力に自信がある人もフォトグラファーに向いています。フォトグラファーが使用する機材は重い物が多く、撮影が長時間に及ぶことも珍しくありません。屋外の撮影では厳しい暑さや寒さに耐えないといけないこともあるでしょう。フォトグラファーとして様々な仕事をこなしていくためには撮影技術だけでなく体力も必要です。

フォトグラファーは今後も需要が高まる

スマートフォンが普及した現在、特殊な技術やスキルがなくても誰でも簡単にきれいな写真が撮れてしまいます。そのため「フォトグラファーの仕事に将来性はないのでは?」と感じている学生さんもいるかもしれません。
しかしプロのフォトグラファーには、撮影技術だけでなく画像の編集技術や撮影現場を仕切る能力など様々なスキルが必要です。そのため素人にはできない様々なスキルを備えているフォトグラファーのニーズは今後も続いていくと考えられるでしょう。コロナ禍において新たに「出張撮影」という需要が増加したことからも、プロの撮影技術は現代でも多くのニーズがあることが分かります。例えば、家族・子ども向け出張撮影プラットフォーム「fotowa」の撮影件数はコロナ禍においても成長を続けていました。

「出張撮影」とは自宅や近くの公園など、自由に希望する場所でプロに写真を撮ってもらえるサービスです。感染リスクを減らしながらプロクオリティの写真を撮ってもらえるため、新生児期のニューボーンフォトや七五三の撮影などで多く利用されています。このように時代に合わせたサービスとプロの撮影技術を提供することで、これからもフォトグラファーの需要は伸びていくと考えられます。
また写真撮影などの一般的な業務に加え、SNS発信やコンテストへの応募、写真展や講演会の開催など個人での活動を積極的に行うことで仕事の幅を広げているフォトグラファーも多くいます。
フォトグラファーは、プロならではの技術に磨きをかけたり個人で仕事を開拓していったりすることで、将来的にも長く活躍することができるでしょう。

フォトグラファーを目指す学校の選び方

フォトグラファーに特別な資格や学歴は必要ありませんが、実践に役立つ知識や技術を身につけるためにも専門的な内容を学べる大学や短大、専門学校へ進学することをおすすめします。
大学や短大に進学する場合は、写真や映像、造形などを学べる学校を選ぶと良いでしょう。専門学校には写真学科や写真専門の学科・コースもあります。写真について専門的に学べる学校へ進学することで、プロと同じ機材が使えたり実践的な練習ができたりと着実に撮影技術を磨くことができます。中にはプロのフォトグラファーによる講義を聞ける機会もあるかもしれません。卒業生の就職先や進路なども確認しながら、自分に合った学校を選びましょう。

写真の専門知識を学べる学校へ進学しよう

誰でもスマートフォンで簡単に写真を撮影できるようになった今でも、高度な撮影技術や画像編集技術を備えたフォトグラファーのニーズは衰えていません。またSNS発信や写真展の開催など個人で仕事のフィールドを広げていける職業なので、活躍できる可能性は無限大です。確かな技術と幅広いスキルを身につけたフォトグラファーの需要は今後も続いていくと考えられます。
フォトグラファーになるためには、専門知識を学べる大学や短大、専門学校へ進学しましょう。進路ナビでは、フォトグラファーを目指せる大学や専門学校を紹介しています。
フォトグラファーになるための知識を学ぶ場として、どの様な進路・学校があるかは、大学や専門学校の専攻やカリキュラムを調べてみないと分かりません。まずは「進路ナビ」の学校検索機能を利用して資料請求を行うと、各項の詳しいパンフレットを取り寄せる事が可能です。

他にも、「進路ナビ」では、「興味のある分野」や「通学希望エリア」を選ぶだけで、進路アドバイザーから無料でおすすめの学校情報をお届けします。進路について悩んでいる、興味のあることを勉強するための選択肢がわからないという人も是非ご活用ください。

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