食の教育者 服部幸應さん |進路新聞バックナンバー

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自分の”好き”を極める気持ちを持って突き進め!

食の教育者 服部幸應さん

「料理の鉄人」、「BISTRO SMAP(SMAP × SMAP)」など、料理をテーマにした人気番組に登場し、コメンテーターとして活躍する一方、学校法人服部学園服部栄養専門学校の理事長・校長として、食育活動の普及に努め、全国各地で講演活動を行うなど、食のスペシャリストとして活躍する服部幸應先生。高校生のみなさんへ「食育」の大切さを伝えるとともに、自らの進路ストーリーについて語っていただきました。

食育の話

「朝食を食べなくても構わない」「ダイエットをしているから朝ご飯を抜く」。こんな風な生活を送っている人はいませんか? 朝は、実は最もエネルギーが必要な時間帯です。ですから、朝食を摂らずにいると、脳に栄養分がいかず、頭の働きが悪くなり、作業効率が下がってしまいます。それに、空腹だからといって午後にまとめ食いをしたり、寝る前に食事を摂ったりすると、栄養の吸収効率が下がり、身体を守る免疫機能が弱まって、病気にかかりやすくなるなど、体内のリズムが崩れかねません。

生活は規則正しく、「早寝早起き朝ご飯」を大切にすることが、特に成長期にある高校生のみなさんには、一番大事なのです。17歳までの思春期は第二次性徴により著しく身体が変化するだけでなく、骨密度も18歳から20歳にかけて大きく成長していきます。こうした時期に、誤ったダイエット方法から、エネルギーとなるご飯などの炭水化物やタンパク質を過剰に抜いたり、牛乳や乳製品、海藻類を食べずに、カルシウムやビタミン、鉄分などを摂取せずにいると、一時的に体重は落ちますが、慢性的な無気力感や脱力感を引きおこし、場合によっては神経性の食欲不振から、栄養失調に陥ることもあるのです。こうした事態を避けるためにも、食習慣を見直し、食事を規則正しく摂る必要性があるのです。

みなさんには、食べたいものを何となく口にするのではなく、自分を健康にしてくれる食べ物を見抜くことができる選食能力≠ぜひ培ってほしいと思います。そのためには、まずご家庭の食事の時間を大切にしてください。日本の食文化を見直し、家族で感謝をしながら食卓を囲むことが、「食育」の基本となるのです。「食育」の考え方を大切にして毎日を過ごすことができれば、自らの進路を切り開く力も自然と湧いてくるでしょう。

進路の話

服部 幸應さん

私は、2歳頃には、祖母からナイフの使い方を指導され、4歳になると、リンゴの皮をきれいに剥けるほど技術を習得していました。そう、物心ついた時から食の世界に身を置いていたんですね。幼い頃から、食に関する徹底した教育を受けていて、ある時、学校長である父から、「自分で天丼を作ってみろ」と指示を出され、納得いく味を表現するために、祖母とさまざまな料理屋の食べ歩きを重ねました。当時は10歳前後だったと思いますが、父を納得させる天丼作りに成功した時の喜びはいまでも忘れられません。中学に入る頃には、味のわずかな違いを見極めるために、父が用意した産地の異なる同じ食材の差を識別させられていました。そんな環境でしたから、自分が料理の道に進むことになんら疑問を持たず、むしろ積極的に取り組んでいたと思います。高校時代は、「料理学校を継ぐ」ことを強く意識していたので、そのために大学でさまざまな勉強をしたいと考えていました。

進学した立教大学では、社会学部に籍を置き、部活動として、服飾研究会に所属するなど、多くのことを学べたと思います。 卒業後は、現在の服部栄養専門学校で働くことになりましたが、ほどなくして先代が亡くなり、思いもよらず、32歳で理事長に就任することになったのです。当時は、自分の至らなさゆえに苦労もありましたが、逆に成長できるチャンスと捉え、周りにも助けられながら経営を続けることができました。そんな積み重ねの一つひとつが、現在の私を作っているのだと思います。もちろんこれまで続けてこられたのは、食が好きだったからでしょう。好きこそ物の上手なれ≠ニいう言葉通りに全力で挑戦していくことこそが、上達する近道だと思います。

服部 幸應さん
服部 幸應(はっとり ゆきお)
昭和20年生まれ、東京都出身、立教大学卒業。昭和大学医学部博士課程学位取得。学校法人服部学園服部栄養専門学校理事長・校長、医学博士、健康大使。