フラワーコーディネーター 中村 有孝さん |語る!仕事人スペシャルインタビュー

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語る!仕事人 スペシャルインタビュー

フラワーコーディネーター

中村 有孝
なかむら ありたか

自分を試すことを忘れずに、創造とチャレンジの毎日です

 フラワーデザイナーの世界一を決める「インターフローラ・ワールドカップ」。2015年6月にドイツの首都ベルリンで開催された同大会に日本代表として出場し、世界第4位に輝いた中村有孝さんに、この世界を志したきっかけや独創的な作品を作り出す秘訣をうかがいました。

フラワーコーディネーター 中村 有孝さん

1974年生まれ、長崎県出身。国家検定1級フラワー装飾技能士。現在は東京・渋谷にアトリエ「Flower's Laboratory Kikyu」を構え、さまざまなアート作品を手がける一方、故郷の長崎にもウェディングフラワー専門のアトリエを展開するなど、多方面で活躍中。

モノづくりの原点は幼少時代。好奇心から始まった花との出合い

 大学時代は商学部で学んでいたので、植物や創作といったいまの仕事は全く無縁の世界でした。卒業直前まで就職が決まっていなかったのですが、街なかで目に止まった一軒の生花店で働かせてもらい始めたのがフラワー業界との出合いです。ちょうどその頃「フラワーアレンジメント」という言葉がテレビなどでよく取り上げられていたこともあり、ずっと気になっていた分野でした。小さい頃は、粘土細工でヒーローもののおもちゃを作って遊んでいましたが、いま思うと、モノづくりが好きだったことと花で作品を作り上げることは、どこか共通しているのかもしれません。
 就職先は、入ってから分かったのですが、九州エリアでも有名で、生花店の2代目・3代目が修行に来るようなお店だったんです。花といえば「チューリップとバラ」しか知らなかった自分も、仕事前後の時間に花の下処理などから勉強して、知識や技術を身につけていきました。ここで学んだ基礎は、いまの作品作りの基礎となっています。基礎を無視すると本物の作品は生まれません。これは花以外にも、スポーツや音楽など、全ての分野に共通することだと思います。

基礎+引き出し(日頃の勉強+経験)+α。いまあるデザインに花の個性を活かす

 新しい作品を生み出すには、インスピレーションが大切です。普段街を歩いているなかで、建築物や壁画などからアイデアを得ることもありますし、趣味で集めているレコードのジャケットがヒントになることも。以前、車を運転していた時に目に入ってきた落葉樹の枝が、なんとなく「根っこ」に見えたんです。そこで、地上に出ているものでも、裏返すことで根の表現ができるのではないかと考えて作品に取り入れたこともあります。
 世の中にはさまざまなデザインがありますが、皆が気付いてこなかった新しいものを生み出し、さらに素材や花の組み合わせで植物それぞれの個性をプラスしていく─。花だけでなく、茎や葉が美しいものは、その良さを活かしながら、新しい表現や作品を作り上げたい思っています。昔はたくさんの要素やメッセージを詰め込み過ぎた作品もありましたが、多くの作品を作っていく中で削ぎ落とされ、言いたいことが一つ明確に現れる作品が作れるようになってきました。

常に想像を巡らせていることが大事。華麗な花の見た目以上に体力勝負の世界

 先日参加した世界大会もそうですが、大会やコンテストに臨むためには、土台作りとして数カ月の準備期間が必要です。私は高校時代ラグビー部に所属していたので、そこで培った基礎体力がいまとても役立っています。
 また、コンテストでは、お花と資材が当日に支給されて、「ではどうぞ」とその場でイメージを考えながら即興で作品を作り上げる“サプライズ”と呼ばれる種目があります。これは事前に準備することができません。瞬発力や想像力が試されます。素材として支給される布や紙など、花以外のものにも関心を持ち、自分の中にたくさん引き出しを持っておくことが大事です。瞬発力はなかなか鍛えられるものではないですが、例えば、「あそこの自転車はどうやってアレンジしてみようか――」などと想像を巡らせてみたりと、常にいろいろなことに関心を持つようにしています。また仕事の規模が大きくなるごとに気づかされてきたのは、自分一人ではできることに限界があるということ。周りの方の支えあってこその、作品作りに打ち込めるいまの生活があります。

大切なのはものごとの本質に迫まること。自分の力をどんどん試してほしい

 私が高校生だった頃は、インターネットは一部の人のものでした。情報がすぐ手に入らなかったので、書店に行って専門書や関連書籍を集めていましたね。現在ではインターネットが身近になり、情報も簡単に手に入るようになりましたが、みなさんには情報を手に入れるための“プロセス”を大事にしてほしいです。芸術家の絵を見て、「これなら描ける」と思うのではなく、その絵が完成するまでの背景や作者の想いなど、その本質に迫ってみてください。
 それから、自分の力をどんどん試していってほしいです。自信がないものこそ、挑戦してみて始めて自分の力や現在地が見えてきます。チャレンジしていく中で、新たな人間関係が広がることもありますよ。また、高校時代にきちんとやっておけば良かったと反省しているのが「英語」の勉強。海外の方と仕事をする時、コミュニケーションを取るために必要不可欠なものです。「好きこそものの上手なれ─」。好きなことを突き詰めていく中で、ぜひ自分のやりたい道を切り開いていってください。(撮影協力/東京堂)

(掲載日:2016-09-13)

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