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先生からのメッセージ

〈桑沢〉だからこそできる「デザインの本質」への追及

浅葉 克己 先生

先生

「〈桑沢〉にこそバウハウスの理念が引き継がれている」
これは、バウハウス初代校長ヴァルター・グロピウスが、設立されたばかりの〈桑沢デザイン研究所〉を訪れたときの言葉です。デザインについて想いを巡らせるとき、浮かび上がる大きな存在、バウハウス。14年しか存在しなかった学校、バウハウスが、いったいどうやって、全世界に通じるようなデザインの基本理念をつくることができたのでしょうか。

〈桑沢〉設立当初から続く課題「ハンドスカルプチャー」は、スケッチをせずにひたすら木を彫り、そこで現れた形を磨き上げていくものです。これはニューバウハウスでも行われていました。形のないものに取り組み、磨き上げ、そこからデザインを創出する。私の授業ではこれを「三本の矢」として教えています。

ものをつくるとき、最初は墨絵のように漠然として何も見えません。
まず、第一の矢として、アートディレクションとフォトグラフィーというイメージの問題。次に、第二の矢として、グラフィックデザインとイラストレーションという国際言語の問題。最後に第三の矢として、タイポグラフィとコピーライティングという言葉の問題。この「三本の矢」で的を射れば、そこに形が現れてくるのです。

東日本大震災の被災地支援を目的に、東北の優れた伝統工芸品を海外で紹介する展覧会にかかわる仕事をしています。実際に東北に赴き、鳴子のこけしを見たときに、彫刻家・ブランクーシの代表作《接吻》が頭に浮かびました。そこで湧き出たイメージを基に創作したのが《双頭のこけし》です。実際に現場に行かないと、こうした発想は決して出てきません。「発想・現場・定着」。この3つを徹底し、まとめ、いかに発信するかということを考えることが大切なのです。

先日、ヘリコプターから東京を見下ろしてみました。俯瞰で見る東京は、アメーバのようで限りがない不思議な街。〈桑沢〉はその最先端・渋谷に立地しています。時代や文化を見極めて、〈桑沢〉だからこそできる、「デザインの本質とは何か」を、ともに追求していきましょう。

(掲載年度:2015年度)

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