結婚式は、ひとつのストーリー お客様と一緒に物語を作り上げたい

星野 雄一   さん

 1986年群馬県生まれ。東京エアトラベル・ホテル専門学校卒業(群馬県立尾瀬高等学校出身)。尾瀬で旅館を経営している両親の影響から、自然と身についたおもてなし精神。これを活かせる仕事に就こうと専門学校進学を決意。卒業してから現在まで、神奈川県・逗子にある結婚式場「シーサイドリビエラ」に勤務し、ブライダルプランナーとして活躍中。

 「華やかな女性の職業」というイメージの強いブライダルプランナー。しかし今回は、男性でありながら結婚式場で活躍していらっしゃる星野雄一さんを訪ね、この仕事に目を向けたきっかけやブライダルプランナーとしての今後の夢をうかがいました。

「人を喜ばせたい」という気持ちから いまの仕事に辿り着いた

 高校時代はアルペンスキーに夢中でしたので、スポーツ系の大学に進学しようと思っていたんです。しかし、なかなか卒業後の将来がイメージできなかったため、職業に直結した勉強ができる専門学校に行きたいと思うようになりました。調べていくうちに、ブライダルプランナーという職業があることを知りました。私は誕生日会などのイベントを企画することが大好きで、人を楽しませたり、喜ばせたりできるこの仕事は自分にぴったりだと思いました。また実家が旅館業を営んでいることもあって、その分サービス業は親しみやすかった
のかもしれません。

「リビエラで結婚式を!」と思わせる ここでしかできないプランの提案を

 当式場にはブライダルプランナーが男女4人ずつ在籍しており、式当日までの打ち合わせは全て女性社員が担当しますが、会場責任者は5会場中4人が男性です。私の仕事は、数ある式場の中から「リビエラで結婚式を挙げてみたい」とお客様に思っていただけるよう、ここでしかできないウェディングプランを提案すること。その後、予算に合わせてどんなパーティにしたいか、誰を呼びたいか、どんな家庭で育ってきたのかなどをカウンセリングし、プランを詰めていきます。
 自然に恵まれオープンな環境にあるので、外国人のお客様も多くいらっしゃいます。また、ハワイやグアムなどの海外とどちらにするかご検討する方も少なくないですが、海が好きな方、海の近くで育った方には、国内でありながら海外と同じような景色が一望できる、ここリビエラをおすすめいたします。

学生時代に学び、身につけた資格は いまの仕事に活かされている

 学生時代に学んだ観光英語と手話は、現在の仕事に非常に役立っています。授業で特に印象に残っているのは、スーツ着用のホスピタリティの授業。「くずれた身だしなみは恥ずかしいことだ」と言われたことは、いまでも教訓になっています。実習では、ウェディング業界での実際の働き方や舞台裏を見ることができて、とても有意義でした。
 在籍中にフォーマルスペシャリスト検定、色彩検定、観光英語検定、アシスタント・ブライダル・コーディネーター(ABC)検定などの資格を取得しました。就職してからはソムリエに挑戦しています。資格を取得するのは、仕事に直接結びつくというよりお客様の安心感につながる材料の一つにしたいためで、みなさんにも何らかの資格を身につけることをおすすめします。

悩まずに選択してもらえるために 必要となる私たちの提案力

 ブライダルは、始まりがあって終わりがあるという点で、映画やドラマと共通する部分が多くあります。お客様が「どういうところで結婚式をやろうかな」とウキウキするところから『ストーリー』は始まっています。企業としての制限にとらわれないアイデアを提案し続け、お客様に寄り添いながら、黒子として結婚式をお手伝いするというのが私の夢です。
 これからは、「なんでもいい」と言って強い願望を持たない若者が多くなる時代だと言われています。だからこそ、私たちの提案力が必要になってくるはずです。
 以前、ロサンゼルスのリビエラで、海外に住んでいるアジア人向けに料理長が日本食をふるまうイベントを行いました。将来は、そのようなイベントの企画・運営に、私も一から携わっていきたいと思っています。

「だからここを選んだ」 強い信念は悩んだ時の大きな味方に

 進学を決める時、何らかのきっかけがあるはずです。その強い信念を持っていれば、あきらめかけた時や、就職して「なぜここに入ったのか」と悩んだ時に、自分自身を再び奮い立たせる大きな力になります。高校生のみなさんには、「だからこれに決めたんだ」と自分が納得できるきっかけを常に心にとどめながら進路選択をしてほしいと思います。

(掲載日:2015-05-25)

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