なりたいものはないし、何ができるか分からない。だから進路を決められない…
このような悩みを持つ高校生は多いのではないでしょうか。
このコラムでは、進路選択に苦痛すら感じる高校生のみなさんへ向けて、どのように進路を選べばよいか?をていねいに解説していきます。
高校卒業後の進路は主に「進学」「就職」に分けられます。
高卒で就職する人(正社員)は、高校卒業者全体の18%弱に上ります。工業、商業高校などの専門高校に通う方にとっては現実味のある選択肢ですよね。普通科に通う人でも、特に学びたい事が見つからないので就職したい、早く社会に出たいという人もいると思います。
就職を希望する場合は、3年生の夏ごろから就職活動が始まります。ハローワークのウェブサイトや学校を通じて求人票が公開されるので、その中から選んだ会社へ見学に行き、就職面接を受けます。内定をいただけるまでこれを繰り返します。
一方、進学する人は全体の約70%を占めます。大学進学者が約55%、専門学校進学者が約16%です 。手に職を目指す人、何かしら学びたい事がある人、大学生活を過ごしてみたい人などは進学を選ぶことになりますね。
志望校を選ぶ際に大切なのは、以下のようなことになります。
進学には少なくないお金と時間が必要ですから、「ただ何となく」で選ぶことは避けましょう。そのためには、「自分のやりたいこと」を明確にする必要があります。
進路選びの最初のステップは「自己分析」です。自分がどのような性格で、何が向いていそうで、何をしてどのように生きていくべきかを考えます。難しく考えず、身近なことから分析していきましょう。
何がしたいかを考える時に重要なのは、出来そうかどうかを考えないことです。まず、自分の希望を明らかにすることだけを考えましょう。
もちろん、最終的には仕事に就かなければなりませんから、出来そうかどうかを考えることになります。しかし、最初からあきらめて全く違う分野の仕事に就くのと、同じ分野で可能な限り近い仕事をするのと、どちらがよいでしょうか。 迷っている人は自分はどちらが向いているか考えてみてください。
「何がしたいか」という目標設定ができたら、それを学べる場所を調べます。
まずは大まかに、系統・分野について調べます。系統名を聞いてもピンとこないと思いますので、このページの最後に上げるような解説文を順に読んでいくとよいでしょう。
学びたいことの系統・分野が判明したら、その中にある学部・学科を選びます。そして、もし心に余裕があれば、仕事(職業)についても考えておきましょう。取り立ててなりたい職業が決まっていなくても、自分に合いそうな仕事の目星をつけておくと、選択の目星になります。職業によっては特定の資格が必要な場合があり、資格を取得できる学校を探す必要のある場合もあります。
学部・学科を決めたら、その学部・学科を持つ学校を絞り込み、その他の条件(偏差値や学費等)も合わせて通いたい学校を探し出します。
専門学校では目指す職業に就くために必要な知識・技術を学び、資格取得が必要な職の場合は試験のための準備を行います。
大学では一般教養の他、専攻する学科の内容をより深く学んでいきます。注意してほしいのは、大学では同じ学部名でも学校によって学べる内容が違うことがある、ということです。小さい範囲の事を掘り下げて学ぶため、学校の方針や所属する教授の研究内容によって学べる内容が異なるものなのです。進学後のアンマッチを防ぐため、進路ナビのような情報サイトを利用して学校資料を取り寄せたり、オープンキャンパスで説明を聞いたりして、学びたい内容が本当に学べるのか調べましょう。
志望校が決まったら、あとは入学試験に向けて準備を進めるだけです。利用する入試方式によって合格率が変わってきますので、当サイトコラム「大学入試の基礎知識」等を参考にして、自分に合う入試方式を選ぶなど、受験プランを立ててみましょう。
人類の創造した文化を対象として研究することはもちろん、それらを生み出す人間の精神的な部分や人間の存在そのものについても研究を深めていきます。
実証的な方法によって社会現象を分析して、その客観的法則を明らかにしていきます。実学的な要素が強く、それぞれの分野での問題解決の手法なども探っていきます。
複数の学問分野を学びます。現代社会はいろいろな要素が複雑に絡み合っており、そうした部分に対し複眼的な思考でアプローチをしていきます。
自然現象を解明し、その理論や原理を掘り下げていく学問。既存の理論などについて学んでいくと共に、社会の進歩に寄与する新しい理論の発見なども目指します。
理学などの科学知識を応用して、工業生産などに結びつけていく学問。学びの分野は幅広く、「モノ」を作り出す方法・システムなどを研究していきます。
農業生産等に関する原理や技術の研究をはじめ、農政や農業経営といった分野も学んでいきます。実験やフィールドワークを含む実習などが多くなっています。
病気やケガの治療・予防などを学んでいきます。人間の生命・健康に関わる学びであり、その果たす役割は大きく、卒業後の仕事と密接に関わってくる分野です。
教育の本質・目的や制度、また教員になるための知識・技能などを学びます。教員免許状を取得するに当たっては、実際の学校現場での教育実習も行います。
体育学は、人間と身体活動との関わりについて研究する学問です。その関わる領域は、人文科学、社会科学、自然科学など様々な学問分野にわたります。
さまざまな表現形態で「美」や「思想」を追究していく領域で、美術、工芸、音楽などの分野に分かれています。常に創造力や感性を磨いていく姿勢が大切です。
衣・食・住や社会全体の生活文化など、人間の生活・環境に関わる分野をトータルに学ぶ学科と、特定の分野をテーマとして学ぶ学科があります。
経理や事務、接客、語学などのビジネススキルを活かせる職業分野。関連する業界は幅広く、公務員から観光、交通、ブライダル、医療にまで及ぶ。
理学・工学の知識や技術を用い、自動車をはじめとする機械類や、ソフトウェアの開発・製造・保守、土木・建築、バイオなどの業務に従事する職業分野。
病人や障がい者、高齢者、乳幼児などの他者からの保護やサポートを必要とする人達に対し、各種ケアや教育・指導などを行う職業分野。
美術、工芸、デザイン、まんが、アニメーション、映像、音響、演劇、ダンスなど、芸術的な創作活動やパフォーマンスを行う職業分野。
人々の健康維持に欠かせない栄養管理やスポーツ、平凡な日々に張りを与えるファッション(服飾)など、日常生活の充実に深い関わりを持つ職業分野。