保育士 菊地 政隆さん |語る!仕事人スペシャルインタビュー

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語る!仕事人 スペシャルインタビュー

保育士

菊地 政隆
きくち まさたか

未来に導く保育士という仕事を、いまよりも魅力的なものにしたい

 まだ男性保育者が珍しかった頃、いまの「保育士」が「保母」「保父」と呼ばれた時代がありました。その当時、実家の保育所を手伝い、保育の専門性の高さに驚いたという菊地政隆さん。保育の“職業”としての魅力とこれからについてうかがいました。

保育士 菊地 政隆さん

1976年生まれ、東京都出身。保育士として経験を積んだ後、現在籍を置く社会福祉法人東京児童協会傘下の14保育園の管理に従事。講演やあそびうたの作曲、コンサートなどで人気を博す男性保育士として注目を集める一方、静岡第一テレビ「げんきっず!!」で“歌のお兄さん”としてレギュラー出演中。

実家の手伝いで接した保育士の姿、専門性の高い保育の仕事に驚き

 実家が保育所ということもあり、子どもは身近な存在でした。しかし、保育職は女性が就く仕事だと思い込んでいましたから、将来の仕事として意識することはありませんでした。その頃、偶然に仕事を手伝う機会があり、保育の専門性の高さに興味を持ちました。対象は幼い子どもたちですから、初めはスポンジ、それができたら消しゴム、次はソラマメ……というように少しずつ保育士が教えていくんですね。そう、子どもは遊びながら自然と指先の感覚を養い、それがお箸を持てるように持ち方を覚えていくのです。その姿に接して、保育は生きていくための糧を、計画的に構築していくものなのだと気づきました。すべての遊びが、実は教育的プログラムのもと計算され尽くされていることに驚きました。
 「子どもが好きだから」という理由でこの仕事に就くことを否定はしませんが、それだけではどうなのか。保育士は子どもと遊ぶだけの簡単な仕事ではなく、子どもの生命を預かる責任重大な仕事だと考えています。

モットーは“こころを育てる保育”心の豊かさを持った子どもに育て上げたい

 9年間で複数の保育所を経験し、現在は園長職をしながら、東京児童協会が持つ14保育園の管理をしています。そうした僕が最も大切にしているのは職員のみなさんです。そんな大切な職員たちに、担当クラスの子どもたちを一番大事にするように伝えています。すると、子どもたちは保育園が好きになり、良い連鎖が生まれます。そうしたことを全国で講演したり、オリジナル楽曲をコンサートで子どもたちと一緒に歌ったりしたり、また保護者に育児法などを訴えかけたりしています。モットーは「こころを育てる保育(心育)」。困っている人がいれば手を差し伸べられるような人間に育てることです。気づいてくれた子は救われますし、気づいた子には存在価値が生まれます。そのような心の豊かさ?を持った子に育てたいと思っています。
 また、国家試験の筆記試験対策と保育現場実務からなる保育士養成講座を少人数制で開講しています。心の通い合う講義の中でキメ細かく指導することで、保育業界をブラッシュアップし、より良いものにするために力を尽くす覚悟です。

保育士の専門性をもっと世の中に広めたい。育児相談など、保育園は地域に開かれている

 周囲に男性がいる環境で育つと、子どもたちは自分に男性が関わることが当たり前だと思うようになり、高じて先生になりたいという選択肢が生まれます。最近出会う男性保育者は、僕をテレビで見てくれたとか、実習時に男性の先生がいたという体験をした人が多いですね。
 保育という仕事は今後の20年間で、さらに進化していくでしょう。だからこそ、保育の専門性をもっと世の中にアピールすることが必要です。保育士としての経験をうまく活かすことができれば、もっと専門性が求められるはずです。保育士の専門性と高い価値を社会に広く知ってもらい、保育園をどんどん活用して欲しいと思います。入園した園児しか利用できないと思っている方が多いようですが、在宅の方や育児に困っている方も、育児相談などで利用することができます。そうした幅広さが伝わっていないのはとても残念です。

最優先すべきは「やりたい」「楽しみたい」か否か。実際の保育現場をぜひ見に来てほしい

 将来の仕事を選ぶ際に最優先すべきなのは、自分が「やりたい」「楽しみたい」と思えるかどうかということです。そんなふうに考えて、もし保育の仕事に目を向けてくれたのなら、まずは現場に行くことをオススメします。ボランティアでも構わないから、子どもと関わってみてください。その上で、子どもはもちろん、保育の仕事も好きだと思えたら、より強い信念を持って働くことができるでしょう。
 実際に保育士に接していると、保育って素晴らしいと思うし、保育が楽しく見えてきます。そういうことが実感できたら、自分が行きたいと思える学校を探しましょう。職場体験がきっかけでこの仕事に入る高校生が多く、僕の園も積極的に職場体験を受け入れています。
 高校生のみなさんだけではなく、世の中の人みんなに保育を知ってもらい、見てもらいたい。保育は厳しい世界で、第一線で頑張っている人は職人と言っても過言ではありません。考え抜かれたプログラムを用いて、みなさんプライドを持って仕事をしています。それを伝えていくことが、いまの自分の使命であり目標です。

INFORMATION

すみだ川のほとりに笑顔咲くほいくえん
東京・墨田区に平成27年4月1日創立の私立保育園。園内には葛飾北斎の絵が飾られ、「子どもを子ども扱いしない」ようにレイアウトが工夫されている。

(掲載日:2016-09-06)

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