訪問看護師 柴田 三奈子さん |語る!仕事人スペシャルインタビュー

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語る!仕事人 スペシャルインタビュー

訪問看護師

柴田 三奈子
 

病気を看るだけではなく
「生活」を支えるのが役割です

 看護師の中でも、患者の生活に密接に関わるのが訪問看護師です。訪問看護認定看護師として自ら訪問看護に従事するかたわら、複数の医療・介護施設の運営にも携わる柴田三奈子さんに、医療と福祉の現場についてお話をうかがいました。

訪問看護師 柴田 三奈子さん

 訪問看護認定看護師(日本看護協会)。山口県下の高校衛生看護科を卒業後、2年制の看護専門学校に進学。11年間の病院勤務を経て訪問看護の道へ。その後株式会社ラピオンを立ち上げ、「山の上ナースステーション」などの医療・介護施設を開設。現在は同ステーションのスタッフ30名以上とともに、日々看護の現場で活躍中。

訪問看護は「人を見る」のが仕事/志すきっかけとなったある一通の手紙

 訪問看護は一対一で患者さんと接することができるため、「人と人とのつながり」という面での楽しさとやりがいを感じることができます。仕事をする上で気を配っているのは、病気や障害を抱えていても、その人らしい自分の生活が送れているのかどうかということ。病気を見るだけではなく、患者さんの生活を応援してあげるのが訪問看護の仕事です。
 病院に勤務していた当時、担当していた末期ガンの方が退院後に亡くなってしまったのですが、その後、その方のご主人からお手紙をいただきました。「最期まで人間らしい生活が送れて、いろいろな話をすることもでき、とても良い時間を過ごすことができました」という感謝の内容でした。それがきっかけで、訪問看護をやってみようという気持ちになりました。いまでも何かあった時にはそれを読み返し、またイチから頑張ろうという気持ちになれます。

世の中にもっと必要とされることをしたい/自分の理想を求めてステーションを設立

 看護の現場、特に訪問看護では、毎日いろいろなことが起きるため、臨機応変な対処が必要です。病院勤務ではルーチンの仕事が多かったのですが、訪問看護では日々同じことがありません。私は10年くらい地域の訪問看護ステーションで現場に携わりましたが、そうした日々を送る中で、ほかにできることがあるのではないか、もっと必要なことがあるのではないかと考えるようになりました。しかし、会社や法人の中では、どうしてもできることに制限があります。そこで、自分でステーションを開設しようと決心し、株式会社ラピオンの設立に至ったのです。
 いまは訪問看護をする一方、ステーションの管理も行っています。忙しい毎日ですが、好きなことを思うようにできているのでストレスはありません。また、ステーションでは看護師だけではなく、理学療法士や作業療法士とも協力して対処しています。同じ医療専門職であっても立場が違うため、お互いに教え合うことも多く、チームワークも良いと思います。まさにこのステーション自体が「チーム医療」の現場になっています。

医療と介護は人々の生活を支える両輪/患者さんを一緒にサポートしていく

 「在宅サポートハウス」は2014年5月にできた新しい施設で、高齢者に限らず在宅医療が必要な人が住める賃貸住宅です。現在、老老介護や高齢者の一人暮らしなど、在宅生活が困難な人が増えています。そういう状況を何とかしたいという発想から生まれました。
 「人を見る」「生活を見る」と考えた時、私たち医療分野の者だけでまかない切るというのは無理があります。例えば「食べる」という行為に関しては、糖尿病の人の食事指導など医療的側面の指導はできても、実際に料理を作って提供することはできません。訪問看護師が仮に1 日のうち1 時間だけ様子を見たからといって、その人が絶対的に安全で健康に暮らせるわけではなく、残りの23 時間は誰かが見ていなければいけません。24時間・365日ある中で、看護師が関われる部分はそう多くはないため、介護職者と一緒にやっていかなければならない部分がたくさんあるのです。

訪問看護とは人と関わり、支えること/今後は新しい分野にも積極的に挑戦したい

 「人の役に立ちたい」「感謝されることをしたい」と思っている人は、看護や介護の仕事に向いていると思います。人に感謝されると、自分の存在価値につながり、どんどんやる気にもなります。介護や福祉も看護と同じで、人と関わり、人の生活を支える仕事です。どういう生活をしたいか、どういう人生を送りたいかという“本人の意思”がすべて。優しい心を持っていて、既成概念にとらわれずいろいろなことを考えられる人に、ぜひこの仕事を目指して欲しいと思います。
 誤解していただきたくないのは、私は手広く事業を展開して会社をどんどん大きくしていこうと思っているわけではないということです。「地域に必要とされる限りやってみよう」という考えで運営をしています。これからも初心を忘れることなく、社会の要望に合わせて、新しい分野にも積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

INFORMATION

『山の上ナースステーション』
東京都下・日野市にある2009年開設の訪問看護ステーション。30名以上の看護師、理学療法士、作業療法士が日々医療現場の最前線で活躍している。

(掲載日:2015-05-25)

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