「ありがとう」と常に喜んでいただけるよう、最高のサービスを提供したい

福井 織光 ふくい おりみつ さん

 1985年生まれ。東京エアトラベル・ホテル専門学校卒業。川崎市立川崎総合科学高等学校出身。  専門学校入学後、学校のサンドイッチ留学制度を利用して1年間イギリスに語学留学。復学して、卒業。2005年4月より帝国ホテル入社。ベルマンを経て、フロントへ転属。

 ホテルの仕事は、接客業の最高峰ともいわれます。フロント業務は接客の最前線にある仕事。日本を代表するホテル・帝国ホテルに勤務し、7年目となる福井織光さんに、フロント業務のやりがい、またどのように今の仕事に至ったのかを聞きました。

とっさの機転も重要なサービス

 フロントの主な仕事は、お客様のチェックイン・チェックアウトの対応、予約の作成・変更です。また、部屋の割り振りや、会計の仕事もあります。
 チェックインの際には、とっさの機転が求められます。たとえば、結婚式を挙げたことがチェックインの際の会話で分かった場合は、記念に写真立てを差し上げたり、お部屋をアップグレードしたりすることもあります。そうしたことに対して、お帰りの際に喜んでいただいたりすると、やはりうれしいですね。

帝国ホテルで働くということ

 帝国ホテルには、外国からのお客様が多くいらっしゃいます。そのため、語学力はもちろん必要です。加えて、帝国ホテルは日本を代表するホテルの一つという誇りもあり、それに見合ったサービスを提供しなければという思いも強くあります。フロントはホテルの顔。ミスは許されません。ですので、丁寧に仕事をすることを心がけています。
 また、V.I.P. と呼ばれる世界の要人がご宿泊する場合もあります。まだ直接、接客させていただく機会はないのですが、経験を積み、語学力を磨いて、いつか接客を任せていただける立場に就ければと思っています。

急に思い立った接客業への道

 実は、高校は工業系の高校だったため、ホテルとは縁遠い世界にいました。しかし、バーテンダーの仕事に憧れていたこともあり、ある時、自分には接客業が合っているのではないかと急に思い立って、ホテル系の学校を考えるようになりました。その上で、大学に行くよりも早く就職したいと思って、専門学校進学を決めました。
 学校選びでは、直接何校か見に行き、学校の雰囲気が自分に合っていた東京エアトラベル・ホテル専門学校を選びました。

先輩の働く姿を見て決意

 最終的にホテルに就職してみようと決めたのは、留学資金を貯める目的で、専門学校の先生に紹介してもらった帝国ホテルのアルバイト経験でした。働くうちに、奥の深いホテルの仕事に興味を持ち、先輩の仕事姿にあこがれを抱きました。

大切なことを学んだ専門学校時代

 専門学校時代は、接客の基礎知識の勉強はもちろん、実際にホテルで働いている先生が多いので、経験談や失敗談など全ての話がとてもためになりました。
 なかでも、「経営学」という授業が印象に残っています。授業では擬似的に会社を設立して1年間、グループで一緒に経営します。資金繰りで、利益を出す方法についても考えさせられましたし、他にも人間関係など、教科書には載っていない大切なことが学べたと思っています。
 この授業は一見、ホテルでの仕事との直接的な接点が薄く感じられますが、社会の仕組みの中の“ホテルの仕事”を見つめる上で、視野が広がり、とても勉強になりました。

帝国ホテルファンを増やしていく

 今後の目標は、宿泊のお客様に限らず、どのようなご利用をされたお客様でも帝国ホテルファンになっていただけるようなサービスができればと思っています。もしクレームを言ってこられたお客様でも、誠実に対応してファンになっていただけるように心がけています。

挑戦次第でチャンスは誰にでも

 高校生のみなさんには、自分がやりたいことがあればチャレンジをしてほしいですね。私は工業系の高校出身で、ホテルとは関係が薄いところにいましたが、第一志望のホテルに就職できました。分野が違っていても、興味があることには恐れずチャレンジしてください。そうすれば、夢を叶えるチャンスが誰にでもあるはずです。

(掲載日:2013-06-10)
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