進路コラム 進路に悩む驚異の中3生

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進路コラム

進路に悩む驚異の中3生
宇佐美 正利 2017年7月5日(水)

7月3日の朝刊1面に敗戦の弁がふたつ並んだ。
「連勝はいつか止まるもの。自分の実力からすると出来過ぎ」
30連勝を逃した最年少四段は謙虚である。
「予想できなかったほどの厳しさだ。色々な発言、
国会の論戦など国政が影響した」
4年前の都議選大勝を「出来過ぎ」と省みなかった驕りであろう。

規格外の14歳は大きな社会問題の種でもある。
終局が深夜におよぶ可能性のある対局は
労働基準法に違反との指摘である。
棋士は個人事業主なのでセーフと解されるが
「満15歳に達した日以降の最初の3月31日が
終了するまでは労働禁止」の原則をどうクリアするのか。

驚異の中3生は進路に悩む受験生でもある。
家庭学習の時間がない分、宿題は休み時間にこなし
授業への集中力は凄まじいという。
1学年下の張本選手・卓球も宮城県内でトップクラスの成績という。
彼の特徴を監督は(人の話をよく聞くことと吸収力)という。
藤井四段も文武両道と称賛されるが、
将棋により集中するために高校進学を迷っているという。

「兄貴3人はバカだから東大に行った。
自分は頭がいいから棋士になった」(米長邦雄)
多くの棋士が中学卒で棋界に身を投じてきたが、
糸谷哲郎プロが現役棋士として初めて国立大学に進学し、
頂点の「竜王位」を獲得し、大阪大・院も卒業している。
棋士一本か両道か、どちらを選択しても新記録を献上した29人が、
敗戦を誇りにする棋士に成長してくれることであろう。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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