進路コラム 1年生の壁

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進路コラム

1年生の壁
宇佐美 正利 2017年3月15日(水)

小学1年生の最初の壁に和式トイレがある。
公立の小中学校の洋式率は43.3%(2015.11 文科省)であり、
入学日に初めて和式トイレとご対面というケースもあろう。
入学前の訓練が呼び掛けられているようだが、
体力の低下でしゃがんでいられない子も少なくないという。

中学進学で環境の変化に適応できなかったり、
いじめにあったり不登校になったりする状態を「中1ギャップ」という。
高校生になると、知っている生徒が一人もいなかったり、全く新しい環境になる。
学業面でも同じレベルの集団となり、学年順位が急に下がったり
「赤点」や「落第」という単語に悩まされる。「高1クライシス」という。

大学生はどうだろう。全国大学生協の調査(2016年)は興味深い。
・1日の自宅学習時間52.8分(文系37.0分、理系62.9分、医歯薬71.5分)
・1日の読書時間0分49.1%(文系43.9%、理系50.2%、医歯薬61.6%)
・1日のスマートフォン使用時間161.5分。0分は1.3%
・暮らし向きが「楽」52.2%、「ふつう」38.7%、「苦しい」8.9%
・昨年の入学式に参加した保護者は72.2%
大学生たちは手厚く保護され、少なくとも学習面での壁は皆無のようである。

「親は子を切り離し、子は親を切り離せ。
個人の自立なくして独創力や常識を疑う力は生まれない」
高卒で東大の名誉教授になった安藤忠雄さんが東大の入学式で、
3000人の1年生と6000人の保護者に贈った祝辞である。
大学生の壁は保護者からの自立のようである。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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