進路コラム とん智力

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進路コラム

とん智力
宇佐美 正利 2017年1月18日(水)

豊臣秀吉の天下統一が目前の京都、大坂は建設ラッシュに沸いていた。
ところが伏見城建設中に高さ7m、幅14mもの
巨石に掘りあたり工事が中断してしまう。
秀吉が命じた完成日まであと2日であった。
巨石の撤去には1000人の工夫と莫大な費用が必要で、
請け負う業者はなかった。

そんななか、予算の10分の1で請けたのが淀屋常安である。
常安はわずかな人数で現場に入ると、
巨石には手も掛けず近くの地面を掘りだした。
穴が完成するや巨石を落とし、さっさと埋めてしまったのである。
これがとん智好きな秀吉に認められ大富豪への道が開けた。

熊本地震で山から高さ3m、周囲12m、重さ100tの
巨石が滑り落ち道路をふさいだ。
県への救済申請が殺到しており、巨石の撤去は2018年度予算となる。
「ふるさと発 復興会議〜九州・熊本」の機転で、
巨大な庭石としてネットオークションに1円で出品される。
砕いて、復興を象徴するモニュメントの敷石にと2400円で落札された。
IT時代のとん智と言えよう。

「2011年に小学校に上がった子供たちの65%は大学卒業後、
今は存在しない職業に就く」(キャシー・デビッドソン教授)
「AI技術の普及で2030年に日本のGDPは50兆円増えるが、
雇用者数は240万人減る」(三菱総研)
AI時代を生き抜く武器は「とん智力」かも知れない。
1000人の工夫を穴ひとつに代えてしまう、「工夫」の力である。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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