進路コラム 来訪神

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進路コラム

来訪神
宇佐美 正利 2016年12月21日(水)

「和食」、「和紙」に続いて
「山・鉾・屋台行事」がユネスコの無形文化遺産に登録された。
華やかな装飾を誇る木工・漆・染の高度な技術が
何世紀も受け継がれてきたこと、
また祭りの準備や練習などの維持活動が
世代を超えた対話や交流を生んでいることが評価された。

2018年には文化庁が今年3月に提案した男鹿の「ナマハゲ」や
こしき島の「トシドン」、宮古島の「パーントゥ」など
「来訪神:仮面・仮装の神々」が一括審査されるという。
来訪神は1年に1度、季節の変わり目に仮面や仮装の異形で人里に現れ、
子供や怠け者を戒め、豊穣や幸福をもたらす神々とされ、
「まれびと信仰」といわれる。

今回登録された秩父祭の舞台である秩父神社には思いがある。
東日本大震災のあと、イベント会場を探すのに苦慮し、
秩父神社の大広間をお借りして進路相談会を開催したのである。
大学、専門学校、企業の方々にご参加いただき、
地元の高校生にアドバイスをしていただいた。
震災の影響が残るなか、不安に揺れる生徒たちの瞳が忘れられない。

イベントを終え神社を辞する際に、境内の掲示板に目が留まった。
(赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな
 子供には目を離すな 若者には心を離すな)
どんな生徒でも自分に心を向けてほしいと願っている。
たとえ1年に1度だけでも生徒の前に登場する我々は、
彼らにとっての来訪神でなければいけない。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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