進路コラム わたり

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進路コラム

わたり
宇佐美 正利 2016年11月9日(水)

先輩講師のK氏より、
新潟県のある高校から毎年ご指名の講演を終え、
状況報告と一緒に白鳥飛来の報が入った。
「スポーツの秋」を初日の負傷で諦め、
「食欲の秋」からスタートした小欄であるが、
ほかの秋を知らぬままに冬の到来となりそうである。

渡り鳥のなかで、もっとも早い9月頃に飛来し、
もっとも遅い5月頃に旅立つのがコガモ(小鴨)だという。
冬の間にオスは色鮮やかに変色し
メスに対してディスプレイ行動をとる。
北の繁殖地に帰り短い夏の間に産卵し子育てをする。
雛はひと月で成鳥になり数千キロを翔ける力をつける。

メスが茶系の地味な体色のままなのは、
草地で産卵し子育てをするための保護色という。
オスの鮮やかな色もメスへのアピールばかりでなく、
外敵の注意を引きつけるオトリ役の衣裳なのであろう。
生物の進化、適応力は素晴らしい。
しかし今、その適応力をはるかに上回る勢いで
地球が暑くなっている。

「脱炭素社会」を旗印に“COP22”がスタートした。
「京都議定書」で世界に先んじたはずの日本が出遅れている。
気象庁によると日本の平均気温はこの100年で1.15°上昇した。
5月の1.54°、3月の1.45°、2月の1.37°の上昇は
エアコンなどによるCO2の影響であろう。
鳥たちの「わたり」が消えたり、熱風をのがれての
逆方向へのわたりが発生でもしては堪らない。
K氏とともに白鳥がいつまでも新潟へ渡れることを願うのである。

著者プロフィール

宇佐美 正利 (うさみ・まさとし)
1956年、群馬県生まれ。早稲田大学卒業。
学生時代、会話の苦手な自分を「人と話さざるを得ない環境に追い込む」ため、2年次に北海道別海町の牧場にとび込み1か月の労働。「人それぞれの居場所の大切さ」を知る。4年次5月〜翌3月にヨーロッパ、アフリカ、アジア18か国に遊学。「縦以外の価値観」を実体験する。
教育産業界に35年。高校内での進路講演を年間70回以上実施。情報提供ばかりでなく「考え方」の提案に努めている。

◇編著書
『才能と仕事のベストマッチング』(大学新聞社) 2011年11月11日

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